Decisions API正式提供。JSON入力と料金の変更点

OpenAI Decisions APIが正式提供。JSON・共有キャッシュ・400問で業務の判定処理はどう変わる?

正式提供で変わったのは、判定型そのものではなく、業務データの渡し方と繰り返し処理の効率です。

社内システムの注文データを文章に直してからAIへ送り、同じ基準資料を毎回読み込ませている。こうした判定処理では、回答の精度だけでなく入力の準備や繰り返しの費用も課題になります。

OpenAIは2026年10月22日、Decisions APIの一般提供(GA)を発表しました。公開ベータから、JSONの直接入力、共有入力のキャッシュ、質問ごとの画像、1回あたり最大400問などが加わっています。既存の分類・確認業務をどこから見直すとよいか、変更点に絞って整理します。

この記事でわかること

  • 差分:公開ベータから増えた入力形式・キャッシュ・質問数。
  • 設計:既存データを使うときと、共通資料を再利用するときの分け方。
  • 確認:本番へ移す前に比べたい判定結果・入力使用量・費用の数え方。

正式提供で変わった四つのポイント

Decisions API 正式版の変更点、JSONを直接入力、共通入力を再利用、質問ごとに画像、最大400問

Decisions APIは、文章や画像などを評価し、決めた型の答えを返すAPIです。現在の対応モデルはgpt-6-lunaで、専用の/v1/decisionsを利用します。通常のチャット画面に400個の質問を入力する機能ではありません。

追加・拡張 変わること 見直す業務の例
JSON入力 構造化された情報を文字列へ変換せず渡せる 注文・契約・問い合わせの項目を使った判定
共有入力のキャッシュ 一致する共通部分を再利用し、キャッシュ読み取りの割引を受ける 同じ基準書や参照資料を使う繰り返し処理
質問ごとの画像 各質問に別の画像を持たせられる 共通の参照画像に対して複数候補を比較する確認
最大400問 公開ベータの200問から上限を拡張 同じ資料に対する独立した確認項目をまとめる処理

判定型の基本や、候補・尺度を業務へ当てはめる考え方は、Decisions APIの基本解説にまとめています。そちらはベータ時点の記事のため、正式提供の状態や入力条件は本記事と現行の公式資料を基準にしてください。

JSON入力で、元の項目を保ったまま判断させる

文章への変換を減らしても、業務上の意味は必要

新しいinput_jsonでは、オブジェクトや配列をそのまま渡せます。たとえば問い合わせ本文と注文記録を分けたまま入力し、重複請求の相談と記録が一致するかを判断する設計が考えられます。公式ガイドも、問い合わせと注文情報を組み合わせる例を掲載しています。

従来の文章化処理を減らせる一方、「statusが2なら何を意味するか」「金額は税込か」といった業務上の定義が自動で伝わるわけではありません。移行時は、項目名、単位、空欄の意味を保った状態で判定結果が変わらないかを確認します。

JSONの中にURLがあっても、画像を取得する指示にはならない

公式資料では、JSONデータ内のroleやimage_urlというキーも単なるデータとして扱い、メッセージを作ったり画像を取得したりしないと説明しています。また、JSON入力に変えても答えの型は変わりません。

画像そのものを判断させる場合は、対応する画像入力として渡す必要があります。公開HTTP/HTTPSの画像URLやインラインのデータURLに対応しますが、機密画像を使うために公開共有へ変えるのは避け、社内の送信ルールに合う方法を選んでください。

キャッシュは「同じ質問」ではなく「同じ共有入力」を再利用する

Decisionsのキャッシュが対象とするのは、共有入力の先頭から一致する部分です。たとえば同じ参照資料を入力側に置き、質問を変更する処理に向きます。

再利用される部分と、毎回変わる部分を分ける

再利用する共通部分は1,024トークン以上必要で、質問文や質問固有の画像はこの対象に含まれません。資料が毎回変わる仕事や短い入力だけの仕事では、同じ割引効果を前提にしないでください。

既定では共有入力の末尾に暗黙のキャッシュ境界が置かれ、既存リクエストでも条件が合えば利用できます。開発側が明示指定モードを選ぶ場合、境界を指定しないリクエストはキャッシュを使わないため、設定を変えただけで効くとは限りません。

更新された社内基準を古いまま固定して費用だけを下げるのは本末転倒です。参照資料の版と更新日を管理し、正しい版を再利用しているかを先に確認します。

割引率だけで費用を見積もらない

基本の非キャッシュ入力は100万トークンあたり0.10米ドルで、出力トークンへの課金はありません。キャッシュ読み取りには割引がありますが、書き込みには課金されます。地域処理の割増や長い入力への倍率も別に適用されるため、総額は実際の使用量で確認します。

使用量のcached_tokensとcache_write_tokensは、すでにinput_tokensに含まれています。入力総数にもう一度足すと二重計上になる点に注意してください。

400問を一度に使うより、まとめてよい判断を選ぶ

1回にまとめるのは、同じ入力を使い、互いの答えに依存しない質問です。先の回答で次の質問が変わる処理は、公式ガイドも別リクエストに分けるよう案内しています。

たとえば同じ商品資料の記載項目を複数確認する処理と、最初に商品種類を選んでからその種類専用の確認へ進む処理では、分け方が異なります。上限が増えても、すべてを一度に送ること自体が目的ではありません。

運用の集計では、リクエスト数と判定件数を分ける

組織の使用量を取得するAPIも追加されています。ただし、num_model_requestsは質問数ではなくリクエスト数です。400問を1回にまとめてもリクエストは1件なので、業務の処理件数をその値だけから数えないでください。使用量の取得には管理者APIキーと専用の読み取り権限が必要です。

既存の処理から移すときの比較項目

以下は正式提供の変更を取り込むための検証案です。実際の性能測定結果ではありません。

  1. 同じ資料で比べる:文章化した入力とJSON入力に、同じ情報が含まれる状態で判定を比較する。
  2. 共通部分を確認する:変わらない資料と案件ごとのデータを分け、正しい版が使われることを確認する。
  3. 初回と繰り返しを分ける:キャッシュ書き込みと読み取り、全体の入力使用量、待ち時間を記録する。
  4. まとめ方を比べる:質問数を増やしたときも結果の対応関係や失敗時の扱いが追えるか確認する。
  5. 実行権限を変えない:判定が返ることと、通知・更新・返金などを実行することを分離する。

実務上の注意

Decisions APIが返すのは型の決まった判定結果です。外部の処理を実行するのはアプリケーション側であり、GAになったことは、重要な操作の承認が不要になったという意味ではありません。ファイル、音声、項目参照をそのまま渡す入力には対応していません。GPT-Live連携の追加と、音声ファイルをこのAPIへ直接入力できることも区別してください。

まとめ

正式提供の価値は、構造化データを保った入力と、共通資料の再利用、独立した質問の集約にあります。既存処理を一度に変えるより、同じ資料を使って入力形式、使用量、判定結果を比較し、効果が出る部分から移すと判断しやすくなります。

よくある質問

400問まで必ずまとめた方が得ですか?

上限であり推奨件数ではありません。同じ入力を使う独立した質問はまとめられますが、先の回答に依存する判断は別のリクエストに分けます。

JSONを入力すれば自由なJSON回答が返りますか?

いいえ。JSON入力は構造化された根拠の渡し方です。回答は指定した判定型に従い、自由なスキーマの生成とは別です。

キャッシュの使用量は入力総数に足しますか?

足しません。cached_tokensとcache_write_tokensはinput_tokensの内数です。費用を確認するときは、読み取りと書き込みの料金を区別してください。

出典・参考情報

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この記事を書いた人

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