
AIで「働く」が変わる時代に、私たちは何を考えるか
── AXメディアを始める理由。このメディアがなぜ存在するのか、
何を伝えていくのかを、BOSSの言葉でお届けします。
今、私が見ている景色
2026年現在、日本のホワイトカラーの足元で、静かに、しかし確実に、この変化が進行していま す。 経営者として、AX事業部のトップとして、毎日この景色を見ています。だから今、このメディアを 始めることにしました。 このメディアで、あなたと一緒に考えていきたいことがあるんです。
経営者として、私は毎日いくつもの会社の現場を見ています。
5時間の管理職

同じ内容の資料を自分で作り続ける。データを集め、Excelで表を作り、コメントを書く。資料が完成する頃には、もう夕方。
30分の管理職

AIに通しながら資料を作らせ、最終的な判断と仕上げを自分で行う。そして残った時間で部下との1on1を1件多く入れている。
この2人の年収は、ほぼ同じです。でも、5年後に同じであるとは、私にはとても思えません。
これは、ある特定の会社の話ではありません。日本中のオフィスで、今この瞬間、AIをパートナーにしている人と、まだ自分の頭だけで戦っている人の間に、目に見えない差が、毎日少しずつ積み上がっています。

世界の経営者は、
もうここまで来ている。
Microsoft AI部門のトップ、Mustafa Suleymanは2026年2月、Financial Timesのインタビューでこう語っています。
「コンピュータの前に座って行う業務の大半が、今後12〜18カ月で自動化される」
名指しされた職種は、会計、法務、マーケティング、プロジェクト管理。つまり、これまで「優秀な若者がキャリアを始める場所」だった全領域です。
Shopify CEOのTobi Lütkeは2025年4月、社内メモにこう書きました。
「AI usage is now a baseline expectation」── AIの利用は、もう「あれば望ましい能力」ではなく、「最低限の前提条件」になった。
彼は同じメモで、こうも書いています。「人員を追加で求める前に、AIで実現できない理由を示せ」。
世界の経営者は、もうここまで来ています。
ホワイトカラーをやるなら、AIは「使えると良い」ではなく、「使えて当然」の時代に入りました。これは選択ではなく、前提になっています。
AIは敵ではなく、
味方です。
電卓が登場したとき、計算が得意な人たちは「これは敵だ」と思ったかもしれません。そろばん職人や暗算名人にとって、自分の技能が機械に置き換えられることへの恐怖や戸惑いは、相当なものだったと思います。

でも、電卓は敵ではありませんでした。
電卓は、人間の計算能力を拡張してくれる味方だったんです。電卓のおかげで、私たちは計算ミスから解放され、もっと高度な問題に頭を使えるようになりました。
そして今、電卓は単体の機械ですらありません。スマートフォンの中の、ひとつのアプリです。無料で、いつでも、誰でも使えるようになりました。
あなたは今、そろばんを使っていますか?
たぶん、使っていないと思います。「そろばんの方が頭の体操になる」「電卓に頼ると計算力が落ちる」── そう言って、そろばんに固執した人もいたはずです。でも、社会の主流はもう、電卓側に動きました。そして、電卓を使うことが「楽をしている」とは、もう誰も思いません。
AIも、まったく同じだと思っています。
AIは敵ではなく、味方です。私たちの思考能力を拡張してくれるパートナーです。便利なものは、パートナーとして使う。それだけのことなんです。
朝のメール返信。LINEの返信。買い物リストの整理。子供の宿題のサポート。今日の献立の相談。週末の旅行の計画。AIは、もう私たちの生活の隅々まで入ってきています。
「使うか、使わないか」を悩む段階は、もう過ぎました。「どう使いこなすか」を考える段階に、私たちは入っています。

ガラケー→スマホが6年。
AIは、その30倍の速度で動いている。
ガラケーがスマホに置き換わっていった時期を思い出してみてください。iPhoneが日本に来たのが2008年。スマホの普及率が50%を超えたのが2014年頃。つまり、ガラケーからスマホへの本格的な切り替えに、約6年かかっています。
では、AIはどうでしょうか。ChatGPTが公開されたのは、2022年11月30日。5日後には100万ユーザーを獲得し、わずか2ヶ月後には1億ユーザーを突破しました。これは、人類史上最速の普及速度です。
1億ユーザー到達速度
「いつかやろう」と思っているうちに、3ヶ月後にはまた別の景色になっている。それが、AIの時代の現実です。
AIが普及するとき、変わるのは
仕事の効率だけではありません。
「働く」という行為の定義そのものが、書き換わっていきます。
単純実行

文章を一から書く。データを集計するのが仕事だった人は、AIが集計したデータを解釈するのが仕事になっていきます。
判断と編集

AIに通したアウトプットを、人間が判断し、編集する。実行する人ではなく、判断する人が、価値の源泉になります。
ニューヨーク市立大学院センターは「子供たちの65%は、将来、今は存在していない職業に就く」と予測しました。米国労働省も2025年8月の文書で「entirely new categories of jobs(まったく新しい職種カテゴリー)」が生まれていると整理しています。職業名で自分を定義する時代は、終わろうとしています。
定時退社の本当の意味は、ここにあると思っています。早く帰ることではありません。短い時間で、深い価値を生むこと。そのために、AIが時間を生み出してくれます。
Anthropic Economic Indexの2025年のデータは、Claudeの利用のうちaugmentation(人間の拡張)が57%で多数派だと示しています。AIは万能ではなく、人間と組み合わさったときに最大の力を発揮します。
これらすべてが、ひとつのことを指し示しています。「働く」の定義は、もうこれまでとは違っていきます。私たちは、その書き換えが進行している瞬間に、立ち会っているんです。
主要4カ国のAI個人利用率。
日本は最下位です。
- 1中国81.2%
- 2米国68.8%
- 3ドイツ59.2%
- 4日本26.7%
3つのチャンス
主要4カ国の中で、最下位です。3人に2人以上が、まだAIを生活に取り込んでいません。普通なら、これは絶望的な数字に見えます。でも私は、この数字をまったく逆向きに読んでいます。ここに、3つのチャンスがあります。
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01.遅れているからこそ、まだ先行者になれる
残り73%の日本人がAIを使い始めるとき、最初に動いた人が「日本のAI時代の先行者」として頭ひとつ抜けた立場に立てます。世界では遅れていますが、日本国内ではまだ前のほうに立てる。この時間差が、向こう数年の景色を決めていきます。
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02.日本は世界で唯一、本気の人手不足社会
2030年に644万人の労働力が不足すると言われています。OECDが2025年11月のレポートで、こんな数字を出しています。生成AIを使う日本の中小企業のうち、スキル不足を抱える企業の39.1%、人手不足を抱える企業の25.2%が、「生成AIがその不足を補ってくれた」と答えました。世界が「AIで人を減らす」と議論している間に、日本は静かに「AIで足りない人を補う」道を歩み始めています。
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03.「働く」の定義が変わる瞬間に、立ち会える
日本の良さ──職人文化、改善文化、現場力、人を大切にする文化──を組み込めれば、日本独自の「人とAIの共存モデル」を世界に示すことができるはずです。世界経済フォーラムは、2030年までに1.7億の新規職が創出され、9,200万が消失し、7,800万の純増になると予測しています。遅れているのではありません。別の道を、これから歩き始めるところなんです。そして、私はその道に、強い希望を持っています。
最初の一歩は、
驚くほどシンプルです。
ここまで読んで、あなたは思っているかもしれません。「で、私は今日、何をしたらいいんだ?」
その答えは、ひとつではありません。でも、最初の一歩は、驚くほどシンプルです。
今日のメールや、LINEの返信を AIに通してみてほしい。 たった、それだけのことです。
AIをパートナーにすることは、難しいことではありません。資格も、専門書も必要ありません。日常の中の「簡単なこと」を、AIに通す習慣を作る。それだけで、あなたの脳は少しずつ「AIと一緒に考える脳」に書き換わっていきます。
そして、「働く」の定義が変わる時代に、あなた自身も、自分のキャリアを定義し直す必要が出てきます。18ヶ月後、自分はどこにいたいか。自分の子供を、どんな時代に送り出したいか。日本という国に、自分はどう関わりたいか。
こうした問いに、一気に答えを出す必要はありません。私と一緒に、少しずつ、考えていけたらと思っています。
AIを使い始めるのは、
私たちだけではありません。
私たちが日々の仕事でAIを使うように、お客様も、会社やサービスを探すときにAIを使う。
「この地域でおすすめのお店は?」「この課題を相談できる会社は?」
そんな質問に、AIはどう答えるのでしょうか。
だからこそ、「AIをどう使うか」とあわせて、「AIから自分たちがどう見えているか」にも、目を向けておきたいんです。
AIは、あなたの会社をどう説明していますか?
会社の強みや、サービスの特徴。
私たちが伝えたいことは、AIの回答でも正しく伝わっているでしょうか。
まずは、実際に聞いてみる。
どのように紹介されているか、何が伝わっていないかを確かめる。
そのうえで、AIが参照する情報を整えていく。
この取り組みが、AIOです。
現状を知り、情報を整え、変化を確かめる。
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聞いて、現状を知る。
お客様が尋ねそうな質問を、実際にAIへ投げかけます。自社がどのように紹介されているか、強みが伝わっているか、情報に誤りがないか。回答を記録し、現状を確認します。
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伝わる情報を整える。
公式サイトや記事、外部メディアなどを確認し、情報の不足や食い違いを整理します。どんな会社で、何を提供し、どんな強みがあるのか。人にもAIにも理解しやすい情報の土台を整えていきます。
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変化を確かめ、改善を続ける。
情報を整えて終わりではありません。同じ観点で再び質問し、回答がどう変わったかを確認する。その結果を、次の改善につなげます。
AIをどう使うか。
そして、AIを通じて会社やサービスがどう伝わるか。
どちらも、これからの仕事やビジネスを考えるうえで、大切な視点だと思っています。
DXの次のステージ、
それがAXです。

このメディアの名前「AX」は、AI × DX の掛け算を表しています。DX(デジタル・トランスフォーメーション)は、ここ10年の日本のビジネスを変えてきた言葉です。企業がデジタル技術を取り入れ、業務や組織のあり方を変える。多くの会社が、その道を歩んできました。そして、AIの時代になって、もうひとつのレイヤーが加わりました。それが、AX(AI Transformation)です。
AXは、DXのようにツールを導入することではありません。AIを使って、思考そのもの、組織の文化そのもの、仕事のやり方そのものを、根本から作り直していくこと。DXの次のステージ、と言ってもいいかもしれません。
このメディアは、その「AX」を日本のビジネスパーソンに届ける場所として、立ち上げました。
3人の視点が交差したとき、
AIと「働く」をめぐる景色が、立体的に見えてくる。
答えは、今すぐ出さなくていいです。

- あなたは、今日、何をAIに通しましたか?
- 18ヶ月後の自分を、どこに置きたいですか?
- 「働く」の定義が変わる時代に、あなたはどう関わっていきたいですか?
ただ、この問いを抱えながら、明日からの仕事に向き合ってもらえたらと思っています。
AXメディアは、その問いを一緒に考える場所にしていきたい。どうぞ、よろしくお願いします。




