OpenAIは、macOS版ChatGPTに、許可したアプリやWebサイトでの作業を振り返れる「Computer History」を追加しました。
Computer Historyは、パソコン上で行った最近の作業をタイムラインとメモにまとめ、ChatGPTやCodexが後から参照できるようにする機能です。画面を録画する機能ではなく、クリック、文字入力、アプリの切り替えなどの操作情報を記録します。
この記事では、Computer Historyが何を記録するのか、どのような仕事で役立つのか、会社のパソコンで使う前に何を決めておくべきかを初心者向けに整理します。
この記事でわかること(結論)
- 機能の役割:最近の作業をタイムラインとメモにまとめ、ChatGPTやCodexが仕事の続きを支援する
- 記録の範囲:クリックや文字入力などは対象だが、画面・マイク音声・システム音声は記録しない
- 利用条件:macOS版のPro・Business・Enterpriseが対象で、初期設定ではオフになっている
- 企業の確認事項:対象アプリ、同意、保存データ、削除方法を決めてから小さく試す必要がある
Computer Historyで何が変わる?
Computer Historyを有効にすると、作業を中断した場所や直前に見ていた資料を、ChatGPTへ一から説明し直さずに探しやすくなります。OpenAIは、最近の仕事を再開する、資料や会話を見つける、繰り返し作業を再利用するといった用途を案内しています(出典:OpenAI「Computer History」、2026年8月17日確認)。
中断した仕事の続きを思い出せる
昼休みや別の依頼で作業を中断したあと、「どの資料を直していたか」「次に何をする予定だったか」を思い出す場面があります。Computer Historyでは、最近の操作を時間順に確認し、作業を止めた時点の情報をChatGPTへ尋ねられます。
最近見た資料や会話を探せる
ファイル名を覚えていなくても、「午前中に見ていた提案書」「さきほど確認したSlackの会話」のように、覚えている範囲で質問できます。Computer Historyは該当しそうな作業履歴を手がかりに、元の資料や会話を探す支援をします。
繰り返し作業を再利用しやすくなる
同じ手順を何度も行っている場合は、その流れをスキルや自動化の候補として提案することがあります。提案された内容を確認したうえで、Codexへ再利用できる手順の作成を依頼できます。

Computer Historyは何を記録する?
Computer Historyが扱うのは、許可したアプリやWebサイトで発生した操作情報です。パソコン画面や会話をそのまま映像・音声として保存する仕組みではありません。
| 項目 | 記録の扱い | 確認ポイント |
|---|---|---|
| クリック・文字入力 | 記録対象になり得る | 許可したアプリやWebサイトの操作から作業内容をまとめる |
| アプリ切り替え・ショートカット | 記録対象になり得る | どの作業をどの順番で進めたかを整理する手がかりになる |
| 画面・スクリーンショット | 記録しない | Computer Historyは画面録画権限を必要としない |
| マイク・システム音声 | 記録しない | 会議音声やパソコンから流れる音を保存する機能ではない |
| プライベートブラウズ | 対象外 | ブラウザのプライベートモードでの操作は履歴へ含まれない |
記録対象にするアプリやWebサイトは利用者が選べます。特定のアプリだけを許可する方法と、記録したくないアプリやURLを除外する方法が用意されています(出典:OpenAI「Computer History」、2026年8月17日確認)。

誰が使える?
2026年8月17日時点では、Computer HistoryはmacOS版ChatGPTのPro・Business・Enterprise向けです。初期設定ではオフになっており、利用者が自分で有効にする必要があります。
BusinessとEnterpriseでは、管理者が利用権限を許可したあと、各利用者が個別にオプトインします。管理者が権限を付けただけで、社員全員の履歴収集が自動的に始まるわけではありません。また、欧州経済領域、英国、スイスでは現時点で提供されていません(出典:OpenAI「ChatGPT Release Notes」、2026年8月13日発表)。
Computer Historyは、AIが画面をクリックして仕事を実行する「Computer Use」とは別の機能です。Computer Historyは最近の作業を覚えて探しやすくする役割で、実際の操作をAIへ任せる機能ではありません。
企業はどのように導入すればよい?
会社のパソコンで利用する場合は、最初からすべてのアプリを対象にせず、機密情報を扱わない作業で試す方が安全です。次の順番で対象範囲と確認方法を決めます。
- 利用目的を決める:資料探し、作業の再開、日報の下書きなど、試す仕事を一つに絞る
- 対象アプリを限定する:公開情報や社内で共有可能な資料を扱うアプリだけを許可する
- 停止する場面を決める:会議、顧客対応、人事・財務情報を扱う時間は一時停止する
- 履歴を確認する:どの内容がメモとして残ったかを定期的に見て、不要な履歴を削除する
入力禁止情報や確認責任まで含む全社ルールは、ChatGPT業務利用の禁止事項と社内セキュリティポリシーの作り方で整理しています。Computer Historyを導入する場合は、既存ルールへ「記録対象アプリ」「停止する場面」「履歴の削除」を追加すると運用しやすくなります。
実務上の注意
Computer Historyを安全に使うために、同意、保存形式、Web上の悪意ある指示という3点を確認します。
会話を含むアプリでは事前の同意が必要
OpenAIは、他の人とのコミュニケーションを記録する場合、相手から事前に明確な同意を得るよう案内しています。Slack、メール、オンライン会議などを対象にする前に、社内ルールと参加者への説明方法を決めてください。
作成されたメモは暗号化されない
一時的な操作イベントはMac上で最大48時間保持されます。そこから作成されたメモはMarkdown形式のファイルとしてローカルに残り、利用者が削除するまで保存されます。OpenAIは、Computer Historyがメモファイルを暗号化しないため、同じmacOS利用者として動く別のプログラムからアクセスされる可能性があると説明しています(出典:OpenAI「Computer History」、2026年8月17日確認)。
Webページ内の悪意ある指示に注意する
許可したWebサイトに悪意ある指示が埋め込まれていると、ChatGPTやCodexが影響を受ける「プロンプトインジェクション」の危険が高まります。履歴を使って重要な処理を行う場合も、送信、公開、購入、削除、権限変更の前には人が内容を確認してください。

まとめ
Computer Historyは、最近の作業をタイムラインとメモへ整理し、ChatGPTやCodexが仕事の続きを支援する機能です。
便利さだけで判断せず、記録するアプリ、停止する場面、保存されたメモの確認方法を先に決め、機密情報を扱わない作業から試すことが大切です。
よくある質問
Computer HistoryはWindowsでも使えますか?
2026年8月17日時点ではmacOS版のみです。Windowsでの提供時期は、OpenAIの公式案内を確認してください。
Computer Historyはパソコン画面を録画しますか?
録画しません。クリック、文字入力、アプリ切り替えなどの操作情報を扱いますが、スクリーンショット、画面録画、マイク音声、システム音声は記録しないとOpenAIが説明しています。
会社の管理者が許可すると自動で記録が始まりますか?
始まりません。BusinessとEnterpriseでは管理者の許可に加えて、各利用者が自分で有効にする必要があります。
Computer Historyの履歴は削除できますか?
削除できます。設定画面から個別の項目を消すほか、直近10分、1時間、1日、すべての履歴をまとめて消せます。
Computer HistoryのデータはAI学習に使われますか?
一時的な操作イベントは、メモ作成後にOpenAIが保持せず、モデル学習にも使わないと説明されています。ただし、作成されたメモを将来のチャットで使った場合、そのチャット内容の扱いは利用者のデータ設定に従います。
関連する用語・出典
- Computer History:許可したアプリやWebサイトの操作情報から、最近の作業をタイムラインとローカルメモへまとめるmacOS向け機能(OpenAI公式ドキュメント)
- Memories:ChatGPTが会話や作業の情報を後から参照するための機能です。Computer Historyの利用には有効化が必要です。
- Computer Use:許可したアプリをAIがクリック・入力して操作する機能です。作業履歴を整理するComputer Historyとは役割が異なります。
- プロンプトインジェクション:Webページや文書に埋め込まれた悪意ある指示によって、AIが意図しない動作をする危険です。
- 提供開始情報:OpenAI「ChatGPT Release Notes」(2026年8月13日)
※本記事は2026年8月17日時点のOpenAI公式情報をもとに作成しています。対象プラン、提供地域、保存仕様、管理者設定は変更される可能性があります。会社で利用する場合は、自社の情報セキュリティ規程とOpenAIの最新ドキュメントをご確認ください。
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