補助金申請の必要書類とは?決算書・登記簿・納税証明を準備

補助金の申請に必要な書類を法人3種類と個人事業主4種類で解説するアイキャッチ画像

補助金の申請では、事業計画のほかに公的な書類の提出が必要です。デジタル化・AI導入補助金2026では、法人は3種類、個人事業主は4種類と決められており、代替書類は一切認められません。

補助金を申請しようと決めたとき、意外に時間を取られるのが書類の準備です。履歴事項全部証明書や納税証明書は、思い立ってすぐ手元に用意できるものではありません。締切間際に慌てて取りに行き、間に合わなかったという事態は避けたいところです。

この記事では、デジタル化・AI導入補助金2026の申請で必要になる書類を、法人と個人事業主に分けて整理します。あわせて、どこで取得するのか、どんな書類が受け付けられないのかも、公募要領をもとに確認します。

この記事でわかること(結論)

  • 法人が必要な書類:履歴事項全部証明書・法人税の納税証明書・貸借対照表および損益計算書の3種類
  • 個人事業主が必要な書類:本人確認書類・所得税の納税証明書・確定申告書の控え・青色申告決算書または収支内訳書の4種類
  • 絶対のルール:代替書類は一切認められない。指定された書類をそのまま用意する必要がある
  • 期限に注意:履歴事項全部証明書は発行から3カ月以内。GビズIDプライムの取得にも印鑑証明書が必要で、発行まで約2週間かかる

法人が用意する3種類の書類

法人が交付申請で提出する書類は3種類です。それぞれ「実在の証明」「事業実態の確認」「財務状況の確認」という役割が決まっています。

1つ目は、実在を証明する履歴事項全部証明書で、発行から3カ月以内のものが必要です。2つ目は、事業実態を確認する法人税の納税証明書で、税務署で発行された直近分の「その1」または「その2」を用意します。3つ目は、財務状況を確認する直近分の貸借対照表および損益計算書です(出典:中小企業庁・中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」)。

履歴事項全部証明書は、法務局が発行する登記事項証明書の一種です。会社の商号や所在地、役員などの登記内容を証明するもので、一般に登記簿謄本と呼ばれることもあります。

法人3種類と個人事業主4種類の申請に必要な書類を用途別に並べた一覧の図

個人事業主が用意する4種類の書類

個人事業主の場合は4種類です。法人と違い、本人を確認する書類と、確定申告書の控えが必要になります。

本人を確認するものとして、有効期限内の運転免許証運転経歴証明書、または発行から3カ月以内の住民票のいずれかを用意します。事業実態を確認するものとして、税務署で発行された直近分の所得税の納税証明書(その1またはその2)と、税務署が受領した直近分の確定申告書の控えの2点が必要です。財務状況を確認するものとしては、所得税の青色申告決算書または収支内訳書を提出します(出典:中小企業庁・中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」)。

書類を取る前に知っておきたい期限と形式

書類は「用意すればよい」ものではなく、期限や形式の条件を満たす必要があります。ここを外すと差し戻しになります。

まず期限です。履歴事項全部証明書と住民票は、いずれも発行から3カ月以内のものに限られます。確定申告書は令和7年(2025年)分が対象で、やむを得ない事情がある場合のみ令和6年分の提出も認められます。次に形式です。確定申告書は税務署が受領したことがわかるものだけが対象で、第一表の控えに受付番号と受付日時が印字されているか、第一表の控えと受信通知を添付できることが条件です。また、提出書類にマイナンバーや保険者番号が記載されている場合は、黒塗りにするなど判別できないようにする必要があります(出典:中小企業庁・中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」)。

あわせて、申請に必須のGビズIDプライムを取得していない場合は、その手続きにも書類と時間が必要です。法人は法務局が発行した印鑑証明書、個人事業主は地方公共団体が発行した印鑑登録証明書の原本(いずれも発行日より3カ月以内)が必要で、アカウント発行までおおむね2週間かかります(出典:中小企業庁・中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」)。GビズIDを含めた申請前の準備は、補助金申請前チェックリスト。初心者が確認すべき5ステップでまとめて確認できます。

履歴事項全部証明書や納税証明書の取得先と期限や不備になりやすい点を示す表の図

実務上の注意

書類の準備で、特につまずきやすいポイントを3点挙げます。

代替書類は一切認められない

公募要領に明記されていますが、見落とされやすい条件です。指定された書類の代わりに、似た内容の別の書類を出すことはできません。「登記情報提供サービスの画面を印刷したもので代用できるだろう」といった判断は通用しません。指定どおりの書類を、指定どおりの発行元から取得する必要があります。なお、事務局から必要に応じて追加書類の提出を求められる場合もあります。

納税証明書は「領収書」ではない。種別と税目を間違えない

名前が似ていて取り違えやすいものです。必要なのは税務署が発行する納税証明書の「その1」または「その2」であり、税金を納めたときの領収書ではありません。また、税目にも注意が必要で、法人は法人税、個人事業主は所得税の納税証明書を用意します。取得する窓口で種別と税目を明確に伝えてください。

確定申告書は税理士の印だけでは受け付けられない

個人事業主が誤解しやすい点です。確定申告書は、税務署が受領したことが確認できるものに限られ、税理士や税理士法人の印のみが押印された書類は適切な添付資料として扱われません。受付番号と受付日時の印字、または受信通知の添付で受領を示す必要があります。この方法で確認できない場合は、第一表の控えと同一年度の納税証明書(その2所得金額用)を提出することで補うことができます。

まとめ

法人は3種類個人は4種類で代替書類は認められないと伝えるミフオの図

デジタル化・AI導入補助金2026の申請で必要な書類は、法人が3種類、個人事業主が4種類です。代替書類は一切認められないため、指定されたものを正確に用意する必要があります。履歴事項全部証明書や住民票は発行から3カ月以内、GビズIDプライムの取得にも約2週間かかるため、締切から逆算して早めに動くことが大切です。申請する枠によって提出書類が異なる場合があるため、最新かつ正確な内容は、自社が申請する枠の公募要領、またはIT導入支援事業者で確認してから進めてください。

よくある質問

履歴事項全部証明書と登記簿謄本は同じものですか?

履歴事項全部証明書は、法務局が発行する登記事項証明書の一種で、一般に登記簿謄本と呼ばれることもあります。補助金の申請では「履歴事項全部証明書」と指定されているため、取得の際は名称を確認して申請してください。発行から3カ月以内のものが必要です。

書類にマイナンバーが記載されている場合はどうすればよいですか?

マイナンバーや保険者番号などの個人情報が記載されている書類は、原則として記載のないものを提出します。記載がある場合は、該当箇所を黒塗りにするなど判別できないようにしてから提出してください。

確定申告書は何年分のものが必要ですか?

令和7年(2025年)分が対象です。ただし、やむを得ない事情がある場合は令和6年分の提出も可能とされています。いずれの場合も、税務署が受領したことが確認できるものである必要があります。

納税証明書は「その1」と「その2」のどちらが必要ですか?

どちらでも構いません。公募要領では「その1」または「その2」と定められています。ただし、確定申告書の受領が受付番号や受信通知で確認できない場合には、納税証明書(その2所得金額用)を添付する必要があります。

提出した書類に不備があった場合はどうなりますか?

事務局から不備の訂正を求められる場合があります。連絡を受けた場合は速やかに再提出に応じる必要があります。不備が解消されたあとに改めて審査が行われるため、締切に余裕を持って申請することが大切です。

関連する用語・出典

  • 履歴事項全部証明書:法務局が発行する登記事項証明書の一種で、会社の商号・所在地・役員などの登記内容を証明するもの。補助金の申請では発行から3カ月以内のものが必要(デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)
  • 納税証明書(その1・その2):税務署が発行する、納税額や所得金額を証明する書類。納税時の領収書とは別のもの。法人は法人税、個人事業主は所得税のものが必要
  • 確定申告書の控え:税務署が受領したことが確認できるもののみが対象。第一表の控えに受付番号と受付日時が印字されているか、受信通知の添付が必要。税理士の印のみが押印された書類は認められない
  • GビズIDプライム:複数の行政サービスを1つのアカウントで利用できる認証システムのアカウント。補助金の交付申請に必須で、取得には印鑑証明書(発行日より3カ月以内)が必要。発行までおおむね2週間かかる

※本記事の制度情報は2026年7月時点の一般的な整理です。本記事はデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠の公募要領をもとにしており、申請する枠や公募回によって必要書類や要件が異なる場合があります。制度は改正されることがあるため、最新かつ正確な内容は、中小企業庁および補助金の公式サイト・公募要領、またはIT導入支援事業者でご確認ください。

この記事について

AXメディアは、株式会社ジーズ AX事業部が運営しています。AX事業部では、AI研修・AIエージェント開発とあわせて、補助金・助成金の活用支援を提供しています。本記事は、公募要領・公式サイトなどの一次情報をもとに、AI導入を検討する中小企業の視点で整理しています。

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この記事を書いた人

こおじのアバター こおじ AXメディア ディレクター

「実務直結・標準化」を信条とする、AXメディアのディレクション担当。さくらこのセンパイ。個人のスキルに頼らない「仕組みとしてのAI活用」を追求しており、こおじが考案するプロンプト(センパイメソッド)は社内でも高く評価されている。