Grok Botに任せるのは改善の材料と画面案づくりまでとし、何を採用して公開するかは人が決めると、提案を検証しやすくなります。
サイトの数字は見ているものの、どの画面をどう直すか決められない。そんな担当者に参考になるのが、Grok Botにアクセス分析から改善案の作成まで任せ、人が採用を判断するという活用投稿です。
ただし、投稿者が使うPaperやLinearとの組み合わせ、成果に関する説明は本人の事例です。同じ成果を約束する機能紹介ではありません。この記事では、公式のデザイン活用例とも照らし合わせながら、自社で試すならどこを区切るべきかを整理します。
この記事でわかること
- 実例の読み方:投稿者の主張と公式に説明されている使い方を分けます。
- 改善の進め方:数字・仮説・画面案・採用判断をつなぐ具体例を示します。
- 確認の基準:見た目だけで採用せず、既存素材と導線を確認します。
参考にした投稿は「AIに全部任せた」という話ではない
ADPListの共同創業者Felix Lee氏は、Grok Botに分析データを読ませて離脱箇所を探し、Paper上で画面案を作り、問題と修正案をLinearへ整理する使い方を投稿しています。投稿には、公開する前に本人が案を選ぶという説明もあります。
同氏はFigmaを使わなくなったとも述べていますが、これは個人のツール選択です。Grok Botの公式デザイン事例では、既存ツールを置き換えたわけではなく、Figmaでの反復作業や試作に活用したと説明されています。「Figmaは不要になった」と一般化する必要はありません。
実務で参考にしたいのは、ツール名よりも分析から公開までの間に、人が案を選ぶ地点を置くことです。投稿者の成果数値を、自社でも再現できる効果として受け取らないようにしましょう。
問い合わせページを改善するなら、最初は1つの問題に絞る
以下は、自社サイトの問い合わせページを題材にした検討例です。Grok Botで実行・計測した結果ではありません。利用できる接続先と権限を確認したうえで、社内の担当範囲に合わせて使ってください。

1.数字と仮説を別々に出してもらう
たとえば「スマートフォンのフォーム到達後に離脱が多い」という観測があっても、入力項目の多さが原因とは限りません。表示崩れや計測の漏れ、訪問者の目的の違いも考えられます。
依頼では「期間・端末・対象ページを明記し、確認できた数字と原因の仮説を分ける。データがなければ不足と書く」と伝えます。データに書かれていない原因を、確定事項にしないことが出発点です。
2.既存の素材を渡し、変更案を限定する
次に、現在のフォームや承認済みのデザイン部品を基準に、たとえば「必須・任意の区別を分かりやすくする案」を作ります。料金表記や法的な文言など、担当者だけで変えられない部分は変更対象から外します。
公式事例でも、スクリーンショットから似たものを作らせるのではなく、実際の製品素材やFigmaの構造を使う工夫が紹介されています。自社で採り入れるなら、ロゴ・色・部品・文言のうち、何を正しい基準とするかを先に渡すのが有効です。
3.案の理由を読んでから、人が採用する
提案には「元の問題」「変える場所」「期待する変化」「残る不確実性」を添えてもらいます。きれいな画面だけでは、問題を解決しているか判断できません。
- 意図:入力を減らすのか、説明を分かりやすくするのか。
- 影響:既存の問い合わせ対応や計測を壊さないか。
- 確認方法:スマートフォン表示、入力エラー、完了画面まで確認できるか。
採用後も、そのまま本番へ反映せず、テスト環境で確認します。変更前後の数字を比べる際も、期間・流入・広告の変更などが異なれば、デザインだけの効果とは言えません。
依頼を始める前に、成果物と「しないこと」を決める
最初の依頼は、作業範囲を小さくするとレビューしやすくなります。次のような内容を、使う環境に合わせて整理してください。
- 対象は問い合わせページ1つ。承認済みの画面・文言を基準にする。
- 読み取りを許可した分析データだけを使い、観測と推測を分ける。
- 改善案は、現在の画面からの差分と理由が分かる形で出す。
- 公開、設定変更、課金、外部連絡は行わず、確認できる案の段階で止める。
PaperやLinearを必ず使う必要はありません。社内で使っているデザイン・課題管理の道具と、実際に許可できる連携を選びます。AIがその道具を扱えるかは環境ごとに確かめ、投稿と同じ名前のツールをそろえただけで再現できるとは考えないでください。
実務上の注意
顧客の行動データや問い合わせ内容を扱う場合は、利用目的と社内ルールを確認し、不要な個人情報を渡さないようにします。読み取りだけの調査と、画面編集・本番変更の権限は分けて考えてください。
Grok Botの利用可能な機能・接続先・使用量は契約や環境で確認が必要です。自然言語で「公開しない」と伝えることに加え、本番を変更できない権限構成にできるかも確認します。
まとめ
Grok Botのデザイン活用は、「人の代わりに完成品を一発で出す」と考えるより、数字から仮説を立て、既存素材に沿う案を作り、人が選ぶ工程を短くする使い方として捉えると実践しやすくなります。まずは1ページ・1つの問題で、案の根拠と変更差分を確認できる状態を作りましょう。
よくある質問
FigmaからPaperへ変える必要がありますか?
ありません。紹介した投稿は個人の事例です。公式にはFigmaを活用した例もあります。既存の制作環境と、許可できる連携を優先してください。
アクセスが減った理由をAIだけで特定できますか?
データから候補を挙げることと、原因を証明することは別です。計測条件や別の変更を確認し、必要なら検証を設計します。
改善案ができたら、そのまま公開してよいですか?
本番反映は別の判断です。表示、入力、計測、社内の承認事項を確認し、公開権限を持つ担当者が判断してください。
出典・参考情報
運営元について
AXメディアは、株式会社ジーズ AX事業部が運営しています。AX事業部では、AI研修・AIエージェント開発・ローカルLLM開発・補助金/助成金の活用支援を提供しています。

