Googleは2026年9月3日、Gemini Notebookの包括的な監査ログをGoogle Workspace管理コンソールへ追加しました。管理者は、組織内で誰がどのノートに関わる操作をしたかを調査し、必要に応じてBigQueryへ書き出せます。
Gemini Notebookは、社内資料をもとに質問、要約、音声・動画などを作れるため、業務利用が広がるほどアクセス状況の確認が重要になります。今回の更新によって、利用を許可するかどうかだけでなく、導入後の調査と監査までWorkspace側で扱いやすくなりました。
この記事では、監査ログで確認できる範囲、対象となる管理機能、BigQueryへの出力、データ保管地域の注意点を整理します。
この記事でわかること(結論)
- 今回の変更:Gemini Notebookの操作を管理コンソールの監査・調査機能から確認できる
- 確認できる情報:ノートの公開範囲、利用者、IPアドレス、対象リソースなどの操作記録
- 出力方法:管理画面での検索に加え、設定すればBigQueryへ書き出せる
- 対象:セキュリティ調査ツールまたは監査・調査ツールを利用できるGoogle Workspace顧客
- 注意点:監査ログとノート本文の閲覧は同じではなく、Gemini Notebookの利用データは現時点でデータリージョンに対応しない
Gemini Notebookの監査ログとは?
Gemini Notebook監査ログは、組織内で発生したノート関連の操作を管理者が検索・調査するための記録です。Google Workspaceのセキュリティ調査ツールと監査・調査ツールから利用できます。
Googleは、ノートの公開範囲、利用者の識別情報、IPアドレス、対象リソースの情報など、複数の分類にわたる操作を追跡できると説明しています。これにより、利用状況の把握、共同作業の確認、情報アクセスに関する調査へ使えるようになります(出典:Google Workspace Updates「Introducing comprehensive audit logs for Gemini Notebook in the Workspace Admin console」、2026年9月3日)。
NotebookLMからGemini Notebookへ名称が変わった経緯と、既存データへの影響は、Gemini Notebookへの名称変更を整理した記事で確認できます。
監査ログで何を確認できる?
公式発表で確認できるのは、Gemini Notebookに関する操作・利用者・接続元・対象リソースの文脈です。管理者は、問題が起きた時間帯や利用者を絞って調査できます。
| 確認軸 | 公式に示された例 | 実務での使い方 |
|---|---|---|
| 公開範囲 | ノートの可視性 | 意図しない共有や公開状態を調べる |
| 利用者 | ユーザーID | 誰の操作だったかを確認する |
| 接続元 | IPアドレス | 通常と異なるアクセスの調査材料にする |
| 対象 | リソースの文脈 | どのノートや対象に関する操作かを絞る |
ログがあることと内容を読めることは別
Googleの発表は「Notebookの操作を可視化する監査ログ」を説明しており、管理者がすべてのノート本文、ソース、チャット内容を監査ログから読めるとは記載していません。操作記録とコンテンツの閲覧権限を混同しないことが重要です。
監査対象となるイベント名や各項目の定義は、管理コンソールに表示されるGemini Notebookのログイベント資料で確認します。社内説明では、実際に取得できる項目だけを一覧化します。
管理画面とBigQueryでどう使い分ける?
日常的な確認や個別調査は管理コンソール、長期間の集計や他ログとの照合はBigQueryという使い分けが考えられます。
管理コンソールで検索する
セキュリティ調査ツールまたは監査・調査ツールから、利用者、時間、IPアドレス、リソースなどを条件に確認します。情報共有の事故や不審なアクセスが起きたときに、関連する操作を絞る用途に向きます。
BigQueryへ書き出して分析する
Gemini Notebookの監査ログは、BigQueryへ書き出して分析できます。ただし、BigQueryへのサービスログ出力は初期状態では無効のため、利用するには管理者側で有効化が必要です。
BigQueryへ出力すると、管理コンソール上で個別に確認するだけでなく、他のサービスログと組み合わせて分析しやすくなります。たとえば、部署ごとの利用状況を集計したり、複数サービスの操作履歴を横断して確認したりする用途が考えられます。
一方で、BigQueryへ保存した後は、保存容量に応じた費用や閲覧権限、データの保持期間も確認が必要です。監査ログを長期間残す場合は、Gemini Notebook側の設定だけでなく、BigQuery側の運用ルールもあわせて決めておくと管理しやすくなります。
提供条件と開始時期
監査ログは、2026年9月3日からRapid ReleaseとScheduled Releaseの両ドメインへ段階的に展開され、表示まで最大15日かかる場合があります。利用者側の設定はありません。
対象は、Gemini Notebookを利用できるだけでなく、Google Workspaceのセキュリティ調査ツールまたは監査・調査ツールへアクセスできる顧客です。契約中のエディションと管理者権限によって使える調査機能が異なるため、管理コンソールで確認してください。
企業での監査運用をどう整える?
ログを集め始める前に、確認目的、担当者、保存期間、問題発生時の対応を決めます。取得できる情報を増やすこと自体を目的にしないことが重要です。
- 監査目的を決める:共有設定の誤り、不審アクセス、社内ルール違反など、確認する事象を定義する
- 閲覧者を限定する:Workspace管理者全員ではなく、調査に必要な担当へ絞る
- 通知と調査手順を作る:どの条件で確認し、誰へ報告するかを決める
- 保存先を管理する:BigQueryへ出す場合は、アクセス権、費用、保持期間、削除手順を設定する
他社AIの会話記録を取得する仕組みとの違いは、Claude Compliance APIの監査範囲を整理した記事が参考になります。AI導入全体の確認項目は、AI導入前のリスク評価を4ステップで整理した記事でも解説しています。
実務上の注意
監査ログが追加されたことで管理しやすくなりましたが、ログを確認できることと、情報管理が完了することは別です。保存場所や出力先、ログ自体の扱いも確認しておく必要があります。
利用データはデータリージョンの対象外
監査ログの保存はWorkspaceの標準的な地域ルーティング方針に従います。一方、ノート、ソース、チャット履歴などGemini Notebookの利用データはグローバルに保存され、現時点では保存地域を指定できません。
BigQueryへの出力は別途設定が必要
管理コンソールで監査ログを確認できても、BigQueryへの出力が自動で始まるわけではありません。利用する場合は出力設定に加え、データセットの権限や保存費用、保持期間も確認が必要です。
監査ログ自体にもアクセス制御が必要
監査ログには利用者、IPアドレス、リソース情報などが含まれます。調査に役立つ一方で、社内の利用状況を読み取れる情報でもあるため、閲覧できる範囲を絞って管理することが重要です。
まとめ
Gemini Notebookの監査ログが追加されたことで、Google Workspace管理者は、誰がどのノートを利用したか、どのIPアドレスからアクセスしたか、どのリソースが対象だったかを管理コンソールから確認しやすくなりました。必要に応じてBigQueryへ出力し、他の監査ログとあわせて分析することもできます。
ただし、監査ログからノートの内容を無条件に確認できるわけではありません。また、Gemini Notebookの利用データは現時点で保存地域を指定できないため、監査機能だけでなく、データの保存条件まで含めて自社のルールに合うか判断することが重要です。
よくある質問
Gemini Notebookの監査ログで何が分かりますか?
ノートの公開範囲、利用者、IPアドレス、対象リソースなど、組織内の操作を調べるための情報を確認できます。具体的なイベント項目は管理者向けログ資料で確認します。
管理者はノートやチャットの本文を読めますか?
今回の公式発表は監査イベントの可視化を案内しており、監査ログから全コンテンツを読めるとは説明していません。操作ログとコンテンツの閲覧権限は分けて確認してください。
Gemini NotebookのログはBigQueryへ自動保存されますか?
自動ではありません。BigQueryへのサービスログ出力は初期状態で無効のため、必要な場合は管理者が有効にします。
すべてのGoogle Workspaceプランで使えますか?
セキュリティ調査ツールまたは監査・調査ツールを利用できるWorkspace顧客が対象です。契約エディションと管理者権限を管理コンソールで確認してください。
関連する用語・出典
- 監査ログ:サービス上で発生した操作を、事後確認や調査に使う記録
- セキュリティ調査ツール:Workspace内のセキュリティ事象を検索・調査する管理機能
- BigQuery:大量のデータを保存・分析するGoogle Cloudのデータ基盤
- 公式発表:Introducing comprehensive audit logs for Gemini Notebook in the Workspace Admin console
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