自由記述はAIで分類し、件数は回答IDに戻って確かめます。
アンケートの自由記述をAIにまとめてもらうと、読みやすいテーマ別の一覧になります。ただ、その件数が元の回答数と合わないことがあります。1人が複数の意見を書いた場合や、空欄の扱いが違う場合に起こる混乱です。
ここでは、ChatGPTに意味を整理してもらう工程と、人数や割合を数える工程を分けます。社内研修やサービス改善のアンケートを、原文へ戻れる形でまとめる方法です。
この記事でわかること
- 数え方:回答人数とテーマの言及数の違い
- 分類表:回答IDを残した分類表の作り方
- 集計手順:母数・重複・判断保留を確認する集計手順
回答人数と、意見が出た回数は違う
たとえば、次の3件は説明用の架空データです。
| 回答ID | 自由記述 | 分類例 |
|---|---|---|
| R001 | 料金は手頃だが、初期設定が難しい | 価格:肯定/初期設定:否定 |
| R002 | 初期設定の説明が足りない | 初期設定:否定 |
| R003 | 特になし | 意見なし |
R001には2つの論点があります。価格の言及は1件、初期設定の言及は2件ですが、回答者が増えたわけではありません。複数テーマで分類する場合、テーマ別の件数を足して回答人数にしないことが基本です。
「初期設定への不満が2件」は、全3回答を母数にするか、具体的意見のある2回答を母数にするかで割合が変わります。まず、報告書で何を伝えるのかを決めます。
AIへ渡す前に、1回答1行の表を作る
原文と回答IDを残す
表には「回答ID」「自由記述」の列を用意し、部署などの属性が必要なら別列にします。氏名や連絡先が分析に不要なら除き、利用が認められた環境へアップロードします。原文列は上書きせず、分類結果を右側に足します。
OpenAIのデータ分析ガイドも、先頭行に分かりやすい列名を付け、1行を1レコードとして整理する方法を案内しています。別の質問の回答を同じセルへ詰め込むと、どの質問に対する意見かを後から確認しにくくなります。
空欄・重複・「特になし」の扱いを決める
空欄は未回答、「特になし」は記入済みだが具体的意見なし、同じIDの重複行は要確認として区別します。同じ文章でも別の人の回答なら、文章が一致するという理由だけで削除しません。元データを複製し、除外した行と理由を記録すると集計のやり直しができます。
少量で分類基準を決めてから全件へ広げる
最初から「全部分析して結論を出して」と頼まず、一部の回答で分類案を作ります。採用する分類には、含める内容と含めない内容を短く記します。たとえば「初期設定」は初回登録や接続まで、「日常操作」は利用開始後の操作に限定すると、担当者間の判断をそろえやすくなります。
迷う回答を無理に分類せず、「判断保留」と根拠を残すよう依頼します。「安ければ使う」は現在の価格への評価なのか、購入条件なのかが曖昧です。文脈がない部分をAIに補わせないことが重要です。
次の自由記述を分類してください。原文と回答IDは変更しないでください。
1回答に複数テーマがある場合は、テーマごとに別行にしてください。
出力列:回答ID、テーマ、肯定・否定・要望・不明、根拠となる原文、判断保留の理由。
分類定義に合わない回答は、無理に既存テーマへ入れず候補として示してください。
人数・割合・結論はまだ出さず、分類表だけを作ってください。
この依頼文の分類定義は、調査目的に合わせて別途渡します。分類案を人が確認し、似たラベルを統合したら、その基準で残りの回答を処理します。

集計は分類表から、確認可能な計算で行う
数える単位を指定する
ChatGPTには、分類結果からPythonなどで計算し、方法と結果を見せるよう依頼できます。ただし、コードを使ったという説明だけで正しさは確定しません。元の回答数、重複を除いた回答ID数、未回答数、各テーマのユニーク回答ID数を照合してください。
たとえば「初期設定について言及した人の割合」なら、同じ回答IDが初期設定の欄に複数回出ても1人として数えます。一方、発言の出現回数を調べる場合は別の指標です。表の見出しに「人数」「言及数」「全回答に占める割合」を明記します。
代表意見だけで結論を決めない
件数の多いテーマを見つけたら、根拠原文を数件確認し、反対の評価や判断保留も見ます。「価格」の分類に肯定と否定が混ざっているのに、「価格への不満が多い」とまとめるのは飛躍です。件数、評価の方向、具体的な理由を分けて報告します。
最後に、分類前後で回答IDが欠けていないか、同じIDが別人として増えていないかを確認します。全件の精読が難しい場合も、重要テーマや曖昧な回答の確認を省かず、確認した範囲を報告書に残してください。
実務上の注意
分類は解釈を伴います。AIのラベルを客観的な正解とせず、分類基準と根拠原文を確認してください。小規模な任意回答アンケートだけで、顧客全体の意見を代表すると結論づけることも避けます。
個人の評価や処遇を自動判定する用途へ流用せず、業務やサービスの改善点を探す材料として扱います。
まとめ
1回答1IDの原文を保管し、分類を検品してから集計します。複数テーマを認めるときは、人数と意見の件数を分け、母数まで示すと、読み手が結果を追いやすくなります。
よくある質問
テーマ別件数の合計が回答数を超えたら誤りですか?
複数テーマを付ける方式なら超えることがあります。人数ではなく言及数を足していないか確認し、集計方法を明記します。
AIに割合まで一度に頼んでもよいですか?
依頼自体はできますが、分類の解釈と計算の誤りを切り分けにくくなります。先に分類表を確定し、母数を指定して計算する方法が確認しやすいでしょう。
同じ内容の回答は削除しますか?
別の回答者が同じ意見を述べた場合は、通常は別回答です。同じIDの重複登録と、文章が似ているだけの場合を区別してください。
出典・参考情報
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