Muse Imageとは?Instagram写真のAI利用問題と注意点

Muse Imageの危険性や、Instagramの公開写真がAI画像生成に利用される問題を解説する記事のアイキャッチ画像。

Metaが公開した画像生成AI「Muse Image」をめぐり、Instagramの公開写真が本人の明確な同意なしにAI画像へ利用される可能性があるとして、批判が広がりました。

Instagramは、写真や動画を気軽に投稿できる身近なSNSです。

そのため、「公開アカウントにしているから、写真を誰かに見られることはある」と理解していても、自分の顔写真が第三者のAI画像を作るために使われるところまで想定していた人は、あまり多くなかったのではないでしょうか。

今回問題となったのは、Metaの画像生成AI「Muse Image」に、公開されているInstagramアカウントを指定して、その投稿写真を参考にした画像を生成できる機能が搭載されたことです。

この機能は批判を受け、Metaによってすでに停止されています。ただし、Muse Image自体が終了したわけではありません。

この記事では、Muse Imageで何が起きたのか、どの機能が停止されたのか、そしてSNSに写真を投稿する私たちが今後注意したいことを整理します。

※本記事は2026年7月13日時点の公開情報をもとにしています。機能や提供地域、設定内容は今後変更される可能性があります。

Muse Imageとは?

Muse Imageは、Metaが2026年7月7日に発表した画像生成AIです。

Meta AIに文章で指示を入力すると、新しい画像を作ったり、既存の写真を編集したりできます。

Metaの発表によると、主に次のような操作に対応しています。

  • 文章による新しい画像の生成
  • 自分の写真を使ったイラストや加工画像の作成
  • 複数の写真を組み合わせた画像の生成
  • 写真内の不要な人物や物の削除
  • 画像上に印を付けて修正箇所を指定する編集
  • InstagramやWhatsAppなどへの共有

画像を作って、そのままInstagramのストーリーズやチャットへ共有できるため、普段からMetaのサービスを使う人にとっては利用しやすい画像生成AIといえます。

一方で、発表直後から大きな問題となったのが、Instagramの公開アカウントとの連携方法でした。

問題になったのは、他人の公開写真をAI画像に使える機能

Muse Imageには当初、Meta AIでInstagramの公開アカウントを「@ユーザー名」の形で指定し、そのアカウントの公開写真を参考に画像を生成できる機能がありました。

たとえば、第三者が公開アカウントを指定すると、その人の顔や服装、投稿の雰囲気などをもとに、新しいAI画像を作成できる可能性がありました。

ここで問題となったのは、写真が公開されていることと、AI画像の素材として自由に利用されることは、同じではないという点です。

Instagramへ写真を投稿した本人は、友人やフォロワーに見てもらうことには同意していても、知らない人が自分の顔を使ったAI画像を作ることまでは望んでいないかもしれません。

しかし、この機能は公開アカウントを対象としており、利用者自身が設定を変更しない限り、写真が参照される可能性がある仕組みとして案内されていました。

Muse Imageで懸念された3つの危険性

1.本人が知らないところで顔写真を利用される

最も大きな問題は、自分が操作していなくても、第三者が自分の公開アカウントを指定できたことです。

AI画像の生成に使われたとしても、写真の投稿者へ必ず通知が届くとは限りません。そのため、本人が知らないまま、自分に似た画像が作られたり、共有されたりする可能性がありました。

特に、顔写真を多く公開している人ほど、本人らしい特徴を再現する材料が多くなります。

2.なりすましや誤解を招く画像に悪用される

AIで生成された画像は、実際に撮影された写真ではありません。

しかし、人物の顔や雰囲気が本物に近い場合、見る人が実際の写真だと誤解する可能性があります。

たとえば、本人が行っていない場所にいるように見せたり、着ていない服を着せたり、実際には参加していない出来事の写真を作ったりすることも考えられます。

冗談や遊びのつもりで作った画像でも、共有方法や文脈によっては、本人の評判を傷つけるなりすましやディープフェイクにつながりかねません。

3.「公開している写真なら使ってよい」という誤解が広がる

SNS上で誰でも見られる写真であっても、自由に加工したり、広告やAI画像へ利用したりしてよいとは限りません。

公開範囲の設定は、写真を見ることができる人の範囲を決めるものです。第三者による別目的での利用について、すべてを許可する意思表示とはいえません。

AIによって加工が簡単になるほど、作る側も「公開されているから問題ない」と判断しないことが重要です。

問題の機能は2026年7月10日に停止された

批判を受け、Metaは2026年7月10日、公開Instagramアカウントを@メンションして、その写真を画像生成の参考にする機能を停止しました。

Metaは、利用者が自分の公開コンテンツを参照させるか管理できる仕組みを用意していたものの、利用者の期待に合っていなかったとして、機能を利用できなくしたと説明しています。

現在は、この問題となった@メンション機能について、慌てて設定をオフにする必要はありません。

ただし、ここで混同しないようにしたいのが、停止されたのはMuse Image全体ではなく、公開Instagramアカウントを指定する一部機能だという点です。

機能 現在の状況
Muse Imageによる通常の画像生成 継続
自分で提供した写真の編集 継続
InstagramやWhatsAppでの画像生成機能 一部地域で提供・順次展開
公開Instagramアカウントを@メンションして写真を参照する機能 2026年7月10日に停止

今後、似た機能が仕様を変更して再提供される可能性までは否定できません。利用時には、現在の設定画面や公式案内を確認する必要があります。

機能が停止されても、注意しなくてよいわけではない

今回の機能は停止されましたが、SNSへ公開した写真が別の方法で保存、転載、加工される可能性までなくなったわけではありません。

スクリーンショットや画像保存、別の画像生成AIへのアップロードなど、Metaの機能とは関係なく写真が利用される場合もあります。

そのため、今回の問題は「設定を一つ変更すれば解決する話」というより、SNSに公開した写真が、見るだけではなくAIで加工される時代になったことを考えるきっかけと捉える方がよいでしょう。

Instagramを使う側が確認したいこと

公開範囲を見直す

顔写真や家族、勤務先、生活圏が分かる写真を多く投稿している場合は、アカウントを公開し続ける必要があるか見直してみましょう。

友人との交流が目的であれば、非公開アカウントにすることも一つの方法です。

ただし、非公開にすれば画像の保存や転載を完全に防げるわけではありません。承認したフォロワーには表示されるため、投稿する内容自体の確認も必要です。

プロフィール写真にも注意する

投稿をほとんどしていなくても、プロフィール写真に顔をはっきり載せている場合があります。

不特定多数に見られたくない場合は、顔全体が明確に分かる写真を避ける、イラストや風景画像へ変更するといった対応も考えられます。

定期的に設定を確認する

SNSやAIの設定は、機能追加に伴って項目が増えたり、表示場所が変わったりすることがあります。

今回のように短期間で提供状況が変わる場合もあるため、過去に一度確認しただけで安心せず、アプリの更新後や新機能の発表時に設定を確認することが大切です。

AI画像を作る側が守りたい3つのこと

他人の顔写真は、本人の許可なく使わない

AIツール上で操作できることと、その利用が相手に受け入れられることは別です。

友人や同僚の写真を使う場合も、生成前に目的を伝え、本人から明確な許可を得ましょう。

作った画像を本物の写真のように見せない

実在する人物を含むAI画像を公開する場合は、AIで生成・加工した画像であることを明記する必要があります。

表示や透かしが付いていても、切り抜きや再投稿によって情報が失われる可能性があります。ツール側のラベルだけに頼らず、投稿文にも記載した方が安全です。

面白さより、本人への影響を優先する

作った本人には軽い冗談でも、画像に使われた人が不快に感じたり、周囲から誤解されたりすることがあります。

特に、恋愛、犯罪、政治、性的な内容、勤務先での行動など、本人の信用や社会生活に関わる表現は避けるべきです。

AI画像を安全に使うために

Muse Imageをめぐる問題は、AIで画像を作れるかどうかだけでなく、本人の写真をどのような同意のもとで利用するかも確認する必要があることを示しました。

生成AIを使う際の著作権や個人情報など、基本的な注意点については、AIを使うときの注意点とは?著作権・個人情報・バイアスの基礎知識で詳しく解説しています。

まとめ

Muse Imageでは、Instagramの公開写真をAI画像に利用できる機能が、同意やプライバシーの問題から停止されました。

今後も、写真を投稿する側は公開範囲を確認し、画像を作る側は本人の許可なく利用しないことが大切です。

AI画像は、「作れるか」だけでなく「作ってよいか」まで考えて利用しましょう。


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この記事を書いた人

さくらこのアバター さくらこ AIメディア編集・実践担当

AX事業部の若手社員。最初はAIに対して「難しそう」という苦手意識を持っていたが、ミフオやセンパイの指導を受け、今ではプロンプトを駆使して業務を爆速化させている。読者と同じ「初心者目線」で、本当に役立つ実務ノウハウを発信中。